いつもご支援をありがとうございます。田島診療所所長の三橋 徹です。
本日は、僕の医療にかかわる原点からお話しさせていただこうと思います。
医学生の頃、横浜で行われた労働フィールド合宿に参加しました。全港湾の方に港湾荷役の仕事の話を聴いたり、横浜寿町のAA(アルコホーリクス・アノニマス)の話を聴いたり、カトリック教会の労働司祭の話を聴いたり、港町診療所に行って学生同士で話し合ったり。ショックでしたね。生の人間が、仕事は幸せになるためにするのに、どうして傷ついたり死んだりしなければならないのか。医者になったら、労災職業病の問題をライフワークにしようと思いました。それから35年たち、欠点だらけですが関わってきました。
あるとき、日本産業衛生学会の頸肩腕障害研究会で、頸肩腕障害は、賃労働ばかりでなく家事労働でも起きると話していました。病院で患者を移乗させるときの外傷から頸肩腕症候群になり労災認定された方は、日常の軽作業や家事労働の後に、2-3日寝込むような慢性疲労症候群の症状が続きました。この方に、新経絡治療というシステマティックにツボを押す治療を行って症状が改善したところで労災保険が治ゆ認定になり、息子さんを頼って名古屋に引っ越していかれたことがありました。
現在、新型コロナウイルス感染症の療養期間を終えた後に、慢性疲労症候群のような倦怠感、気分の落ち込み、思考力の低下、頭痛、息苦しさ、不眠、体の痛み、動悸、食欲不振、発熱、咳、嗅覚障害、脱毛、味覚障害などが、COVID-19罹患後(りかんご)症状として続き、日常生活や学業、労働などの活動に支障をきたすことが国際的にも問題になっています。COVID-19とその罹患後症状が労災職業病として起きることもあります。症状が他人から理解されにくく「気のせい」「なまけ病」と言われてつらい思いをし、社会生活が困難になることも、頸肩腕障害や軽度外傷性脳損傷と同じ構造ですね。
どんな状況にあっても、生活や仕事を気持ちよくでき、好きなこと興味のあることをして発展できるようお手伝いをしたいですね。そのために、これからも労災職業病の治療と予防、コロナ後遺症の回復に取り組めればと考えています。
三橋 徹 2023年1月
総合診療・内科・心療内科・整形外科・物忘れ外来の治療をしています。
地域で生活と暮らし、健康をみんなで支えあう訪問診療を行っています。
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