関節運動学的アプローチ・博田法の診療をしています
AKA−博田法 指導医 三橋 徹(みつはしとおる)


三橋 徹 医師
 関節運動学的アプローチ(arthrokinematic approach: AKA)-博田(はかた)法の診療をしています。AKA-博田法は、関節運動学に基づき、関節神経学を考慮して、関節の遊び関節面の滑り回転回旋など関節包内運動の異常を治療する方法、および関節面の滑りを誘導する方法と定義されています。簡単に言えば、関節の動きを良くする診療方法です。
 身体の痛みやしびれは、ほとんどの場合、体幹の関節の動きと関連しています。この体幹の関節、特に骨盤の仙腸関節が関連している痛みは非常に多く、全身に分布します。そして、この痛みは仙腸関節の動きが正常化すると解消します
 AKA-博田法では、患者さんに横になっていただき、まずこの仙腸関節の動きを評価して、他の関節との関連をみながら徒手的に治療していきます。関節の動きと痛みやしびれが、その場で良くなることも少なくありませんが、関節に炎症がある場合は1〜2週間の間に良くなることもあります。また、状態によって2ヵ月位の間に反応が良くなり、改善する場合もあります。治療頻度は2週間以上、間をあけ1ヵ月に1回位が一番効果がよいと言われています
 AKA-博田法は習得が難しく、多くの患者さんの仙腸関節の動きを正常化することは、容易ではありません。技術の向上とともに良くなる患者さんが増え、治療効果が上るのですが、指導医であっても研鑽は欠かせず、研修会に参加すると毎回目からうろこが落ちるような新しい発見があって、技術がグレードアップされるのを感じます。
 AKA-博田法には、保険点数がありません。AKA-博田法を開発された博田先生は、自由診療にすると患者さんの目が厳しくなるので、技術が上達すると言われます。僕もその通りだとは思いますが、格差社会の中で高い診療費が払えない人にも、良い治療を提供したいです。高い技術を前提にすれば、安全かつ効果が著明で、医療費の高騰も抑えるすばらしい診療方法だと思います
 ひまわり医療生協・田島診療所には、腰痛や頸肩腕障害、指曲がり症の被災者もたくさん受診されます。作業による疲労の蓄積は、体幹の関節の動きを広範囲にわたって重く硬くするため、これを評価・治療できるAKA-博田法の診療は欠かすことのできないものになっています。
 皆さん、どうぞご利用ください。